初めて耳にする方も多いと思います。ラバーダム防湿とは歯にゴムのカバーをかけてお口の中と歯を隔離する方法です。ラバーダム防湿をする目的は大きく分けて3つあります。
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1.無菌的処置
治療している歯にお口の中の細菌が侵入しない様にバリアの役割で用います。主に根管治療(神経の治療)で重要です。お口の中の細菌が歯の内部に存在する歯髄に感染してしまった場合根管治療が必要になります。歯の中の細菌を減らしたいのにも関わらずラバーダム防湿をせず唾液が侵入してしまう状態では良い治療結果は得られません。根管治療にラバーダム防湿を用いることで治療成績が向上することは研究で証明されておりますが日本では常に使用しているクリニックは非常に稀なのが現状です。当院では根管治療の際はラバーダム防湿とマイクロスコープを必ず使用しております。
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2.防湿
お口の中は温度37度湿度90%以上です。例えるならばミストサウナの中と同じ様な状況です。虫歯を削り詰め物や被せ物をつける治療で最も大切になってくることが“接着強さ”です。高温多湿の状況で詰め物をつけてもきちんと接着できません。ラバーダム防湿を行い治療する歯の周囲の湿度を下げ唾液などが接着面に侵入してこない様にすることで詰め物が取れてしまい再治療になるリスクを低くすることができます。
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3.安全性
治療では濃い濃度の消毒薬をお口の中に用いなければならない場合があります。喉に消毒薬が流れてしまうと火傷を起こしてしまう危険性がありますがラバーダム防湿を行っていればその心配はありません。また歯を削る器具で頬の内側の粘膜や舌を傷つけてしまう事もなくなります。
以上の様にラバーダム防湿を行うことで“清潔に”“正確に”“安全に”治療を行うことが可能になります。ラテックスゴムにアレルギーをお持ちの方にはラテックスフリーのラバーダムシートもございますのでご安心ください。